スマホ de セルフィー 〜基本テクニック編〜

みなさんこんにちは、水咲奈々です。この連載では、いつもの写真がランクアップするちょっとしたテクニックをお教えしちゃいます! 撮りたいイメージは頭にあるのだけどどうやって撮ればいいのかわからない、いつも同じような写真ばかりでマンネリから抜け出せない、最近の流行りの写真ってどういう写真だろう?などの写真を撮るうえでの疑問・質問にお答えするようなレクチャーをしたいと思います。とはいってもカメラの初心者さんにも分かりやすいようにお話しますので、肩ひじを張らずに気軽に読んでくださいね。

ポイントはカメラの角度と光!

セルフィーとは自分を被写体として撮影したりその写真のことを言います。いわゆる自撮りですね。近年instagramを始めとするSNSで流行りだして今では定番の写真分野となりました。今回はスマホでセルフィーを撮る場合の基本的な撮影テクニックをお教えします。

まずカメラを構える角度ですが女性の自撮りで多いのが斜め上からの写真です。こうすることで水平の位置から撮るよりも目が大きく、アゴが細く見えるメリットがあります。

下からあおるように撮る写真は、高い建物と一緒に写りたい場合などに適しています。このときに顔だけを下に傾けると苦しげな表情になり、二重アゴに写ってしまうので、お辞儀をするように背筋を伸ばしたまま腰から体を曲げてカメラに覆いかぶさるようにして撮りましょう。

撮影状況

撮影状況

さて、上の二つの写真にはもう一つ大きな違いがあります。それは光の当たり方です。斜め上から撮った写真は目の印象を強めるために太陽が正面にある状態、つまり順光で撮影しています。こうすることで顔が明るくはっきりと写り、コントラストの高い写真になります。

セルカライト

セルカライトをスマホに装着!セルフィー撮影時はインカメラ側にライトが来るように着けます

下から撮った写真は太陽が被写体である自分の後頭部にあるので逆光で撮影していることになります。ポートレートのセオリーを考えるとセルフィーも逆光での撮影を積極的に行いたいのですが、逆光で撮影すると顔が暗くなるのでレフ板は必須ですよね。ですが、気軽な自撮りにレフ板を使う方はなかなかいらっしゃらないと思います。そこで使って頂きたい便利なアクセサリーがこのセルカライト(セルカリングライトから名称変更しました)です。

使い方はスマホの上部をクリップで挟んで設置します。裏面のスイッチを押すとライトが付き、押すたびに光量が3段階で変わります。晴れている屋外でアイキャッチを入れるための使用でしたら一番弱い光でも十分ですが、日中シンクロのように逆光時に使用するのでしたら最大光量がオススメです。

セルカライト

セルカライト

構図を忘れないで!

セルフィーで気を付けたいポイントとして構図があげられます。普段一眼レフカメラで撮影しているときは細かく気を付けている構図なのに、いざ自撮りをするとなるとその基本が吹っ飛んでしまう方も少なくありません。セルフィーで多い写真は人物が真ん中にいる日の丸構図と、顔と背景を斜めに配置した斜線構図です。そんなマンネリを脱出するのに役に立つのがお馴染みの三分割構図です。お持ちのスマホにもよりますが撮影のガイドラインとして液晶画面に画面を6等分する4本のグリッド線を表示することもできますので、その線と交点を見ながら自分と背景を配置して撮影しましょう。

スマホ画面の説明画像

一番簡単なのは左右どちらかの縦の線に自分の顔と肩のラインを合わせる方法です。そして顔の向いている空間を開けましょう。この空間を使って作例のようにクラゲの水槽を見せたり、帽子を触ったりすると、ただ顔だけを写した写真よりも構図内に動きが出て活き活きとした写真になります。

お友達と複数人で写るときは横位置のほうが撮りやすく、構図も作りやすいです。スマホを持っている腕が画面内に入ってしまうと遠近感の関係でものすごく太く写ってしまうので意識して構図の外に出すか、スマホをテーブルの上などに置いて撮影することで回避しましょう。そして集合写真の鉄則! なるべく体も顔もくっついて撮影しましょう。普通に椅子に座っている距離感で写真に写ると空間が開き過ぎて楽しくなさそうな写真になってしまいますよ!

アプリを使ってイロイロ遊んじゃおう!

トップの写真はこの写真をinstagram内で加工して作ったものです。フィルターの「Ginza」を使い、ビネットで周囲を暗くしてチルトシフトで背景をボケさせることで中央の人物に目が行くようにしました。

この写真はセルフィーなのに両手が写っています。どうやって撮影したのかというと人間三脚です。スマホをインカメラにした状態で一緒にいる親しい友人に持ってもらい、液晶を見ながら構図とポーズを決めて3秒のセルフタイマーを使って撮影するとこのようにセルフィーとは思えない写真になります。セルカ棒やミニ三脚を持っていない撮影シーンではこの人間三脚撮影も面白いですよ(笑)。

光や構図を意識して撮った写真はアプリで加工するときにも余計なトリミングや明るさの補正がいらないので遊びやすい写真になります。セルフィーは遊び心も大切なので、ぜひ色々なアプリで遊んでみてくださいね。

※「Ginza」フィルターは初期設定では非表示になってます、フィルター管理画面から「オン」に切り替えてください。

左:オリジナル / 右:トリミング&フィルタ加工

左:オリジナル / 右:Instagram加工

Profile

misaki_miniphoto

水咲 奈々(みさき なな)

東京都出身。大学卒業後、舞台俳優として活動するがモデルとしてカメラの前に立つうちに撮る側に興味がわき写真を学ぶ。作品を持ち込んだカメラ雑誌の出版社に入社し、様々なジャンルの写真家の作品と撮影現場に触れる機会を得る。現在はフリーの写真家として雑誌やWEB、イベントや写真教室など多方面で活躍している。興味を持った被写体に積極的にアプローチするので撮影ジャンルは赤ちゃんから戦闘機までと幅広い。(社)日本写真家協会(JPS)会員。

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